「書いた文章が理解してもらえない」とお悩みの方へ(Part3‐1) 「1つの意味にしか受け取られない」ように、「1文1文丁寧に説明」を

「文章力が未発達」なために不備が生じることもある
書いた文章が理解してもらえない原因として、
そもそも「文章力が未発達」で、
「伝えたいことが正確に表現できていない可能性」も考えられます。
Part3‐1では、文章力が未発達であることによって起こり得る
文章の不備について検討してまいります。
ここで改めて「4つの要因」を再掲します。
(1)書く前に「読者を(正確に)想定」していない。
そのため「読者に伝わりやすい書き方や言葉選び」ができていない。
例えば「難しい内容」をわかりやすく噛み砕かずに書いたり、
「難しい専門用語」を説明なしで用いたりしている。
(2)自分がいいたいことを、自分がいいたいように書いている。
「読者の存在への意識が希薄」で、
「読者への配慮が欠けた文章」になっている。
具体的には「説明が不十分」になったり、
「読者が不快に感じる表現」をしてしまったりする。
(3)「文章力が未発達」なために、
「複数の意味に受け取れる曖昧な書き方」になったり、
「言葉足らずで意味が通じにくい書き方」になったり、
「センテンスが長過ぎて読みにくい書き方」になったりする。
(4)執筆後、しっかりと「推敲」していない。
そのため、ちょっとした間違いや矛盾、微妙ないい回しのずれ、
情報の確認不足などが修正されないまま読者に届き、
誤解を与えてしまう。
Part1、Part2をまだお読みでない方は、
先にそちらからご覧いただければ幸いです。
「1つの意味」にしか受け取られないように書こう
文章は、書き方によって複数の意味に受け取れるようになることがあります。
それによって、書き手が伝えようとした意味ではなく、
別の意味に受け取られたり、
どう受け取ったらいいのか迷わせたりしてしまうのです。
そうした事態を避けるためには、
「1つの意味にしか受け取られないように書く」
ことが非常に重要です。
例文で考えてみましょう。
例)私はコーヒーを飲みながらパソコンを操作している同僚に声をかけた。
さて、コーヒーを飲んでいるのは、私なのか同僚なのかどちらでしょうか?
この書き方では、「私がコーヒーを飲みながら」同僚に声をかけたのか、
「コーヒーを飲みながらパソコンを操作している同僚」に私が声をかけたのか、
どちらかはっきりしません。
「私がコーヒーを飲んでいた」のなら、例えば次のような書き方があります。
(修正例)
1)私はコーヒーを飲みながら、パソコンを操作している同僚に声をかけた。
2)コーヒーを飲んでいた私は、パソコンを操作していた同僚に声をかけた。
「同僚がコーヒーを飲んでいた」のなら、例えば次のような書き方があります。
(修正例)
1)私は、コーヒーを飲みながらパソコンを操作している同僚に声をかけた。
2)コーヒーを飲みながらパソコンを操作していた同僚に、私は声をかけた。
このように書けば、どちらがコーヒーを飲んでいたのかがはっきりします。
自分が書いた文章を後で読み返してみて、
複数の受け取り方ができることに気づいたら、
1つの受け取り方しかできないように修正しましょう。
これにより、読者に誤解される可能性を消していくことができます。
説明を省かず、1文1文丁寧に書こう
文章は、きちんと筋道が通るように、過不足なく書くことが求められます。
別のいい方をすれば、
論理的に「穴」がない状態まで文章を仕上げれば、
書いた内容が正確に理解してもらえる、ということです。
例えば次の文章を読んで、どのように感じるでしょうか。
例)明日は水曜日です。だから私は遊びに出かけます。
おそらく多くの方が、
「あれ? なぜ水曜日だと遊びに出かけるのだろう?
この人は水曜日が休日なのかな?」
と思い、少し「モヤモヤした気持ち」になってしまうはずです。
ではこう書いたらどう感じるでしょうか。
例)明日は水曜日です。私の勤め先は水曜日が定休日なので、
遊びに出かけるつもりです。
今度は何の疑問もなく、
「この人は水曜日が休日だから遊びに出かけるんだな」
と納得できるはずです。
いうまでもなく、前の例文は「言葉足らず」で、
「論理的に穴がある状態」で書かれているため、
読んでいて疑問が湧いてきたのです。
これに対して後の例文は、必要十分な説明があり、
「論理的に穴がない状態」で書かれているため、
読んでいてすんなり理解することができたのです。
文章は、基本的に文字だけで情報を伝達しなければなりません。
そのため、「必要な説明を省略したような書き方」では、
なかなか伝えたいことがうまく伝わらないものです。
書き手が「少しくどいかな」と感じるくらい詳しく説明することで、
ようやく読み手に理解してもらえる、と考えるべきでしょう。
そのように心がけて、1文1文丁寧に書くようにすれば、
読者の理解度は確実に上がっていくはずです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
次回以降も、引き続きこのテーマでお話ししてまいります。
読者登録をしていただければ、たいへん嬉しく思います。
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