AOHITOブログ

キャリア30年以上のライターが「文章」について語るブログ(本と車も)

「書いた文章が理解してもらえない」とお悩みの方へ(Part3‐2) 「センテンスは短め」に、「50字以内」でまとめるのがおすすめ

なぜ私は「哲学の本」でつまずいたのか?

学生時代に、何冊か哲学書(日本語訳)を読んだことがあります。

 

いや、「読もうとした」といったほうが正解かもしれません。

 

本によっては、書いていることが難しくてなかなか理解できず、

同じセンテンスを2度も3度も読み返し、それでもよくわからなくて、

いったん深呼吸をしてから読み返してみたものの、

やっぱりわからなくて途方に暮れてしまった

なんてことも1度や2度ではありません(笑)。

 

そのときは単純に、

「自分の知識や理解力・思考力が不足しているから読めないのだ」

と思っていました。

 

しかし、わからなかった原因は、

実はそれだけではなかったのかもしれません。

 

もう気づいている方もいらっしゃるでしょう。

 

そうです。

「たまたま私が読んだ哲学書の1つ1つのセンテンスが長過ぎた」ために、

文意が頭に入りにくかった可能性もあるのです。

 

もちろん哲学書の翻訳の仕方に問題があるといっているわけではありません。

 

もともと難しくて長い原文の内容を忠実に伝えようとして、

結果的に翻訳文のセンテンスが長くなったものと想像しています。

 

ただその長さに私の頭がついていけなかったのだと思います。

 

本投稿では、

「書いた文章が理解してもらえない」悩みに対する解決策の1つとして、

「センテンスの長さをどうするか」について考えてみたいと思います。

 

ちなみに本投稿の冒頭から3つめのセンテンスは、

その予告としてわざと長めに書いてみました。

悪しからずご了承ください(笑)。

 

何度も繰り返して申し訳ありませんが、

「書いた文章が理解してもらえない」4つの原因を再掲します。

すでに過去の投稿を読まれた方は、

水色の文字の(3)だけ確認していただければ十分です。

 

(1)書く前に「読者を(正確に)想定」していない。

   そのため「読者に伝わりやすい書き方や言葉選び」ができていない。

   例えば「難しい内容をわかりやすく噛み砕かずに書いたり、

   「難しい専門用語」を説明なしで用いたりしている。

 

(2)自分がいいたいことを、自分がいいたいように書いている。

   「読者の存在への意識が希薄」で、

   「読者への配慮が欠けた文章」になっている。

   具体的には「説明が不十分」になったり、

   「読者が不快に感じる表現」をしてしまったりする。

 

(3)「文章力が未発達」なために、

   「複数の意味に受け取れる曖昧な書き方」になったり、

   「言葉足らずで意味が通じにくい書き方」になったり、

   「センテンスが長過ぎて読みにくい書き方」になったりする。

 

(4)執筆後、しっかりと「推敲」していない。

   そのため、ちょっとした間違いや矛盾、微妙ないい回しのずれ、

   情報の確認不足などが修正されないまま読者に届き、

   誤解を与えてしまう。

 

Part1、Part2、Part3‐1をまだお読みでない方は、

先にそちらからご覧いただければ幸いです。

aohito.hatenablog.jp

aohito.hatenablog.jp

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「。」(マル)を増やせば読みやすくなる

さて、みなさんの中に、私がかつて読んだ哲学書の文章のように、

「長い長いセンテンス」をしばしば書いてしまう方はいらっしゃるでしょうか。

 

もしも書いた文章が読み手に伝わりにくいことが時々あって、

しかもセンテンスがつい長くなりがちだという方は、

その「センテンスの長さ」が相手の理解を妨げている可能性があります。

 

ちなみにここでいう「長いセンテンス」とは、

およそ「100文字以上」とお考えください。

 

1つのセンテンスが100文字以上で構成されるということは、

その中に「複数の要素」が詰め込まれていることになります。

 

さらに1つのセンテンスの中で、

「順接」でつながる箇所や「逆接」でつながる箇所が入り混じったりすると、

「複数の要素」の関係性がどんどん複雑になり、

読み手の頭の中を混乱させてしまうのです。

 

例文で考えてみましょう。

 

例)趣味でブログを書いている私は、いつも記事の題材になるネタを探しているが、なかなかいい材料が見つからないときもあり、苦労が絶えないのだが、書いた記事に「いいね」がついたりコメントがついたりするのがとても嬉しくて、以前コメントでお褒めの言葉をいただいたことがあり、もっとがんばろうと思った。

 

いかがでしょうか。

わざと極端に長いセンテンスをつくってみました。

これで句読点を含めて140文字あります。

 

書いている内容が難しくないので、

さほど混乱しないかもしれませんが、

読みづらいのは間違いないと思います。

 

ではこれをいくつかのセンテンスに分割し、

少し言葉を整えててみましょう。

 

修正例)趣味でブログを書いている私は、いつも記事の題材になるネタを探している。しかし、なかなかいい材料が見つからないときもあり、苦労が絶えない。それでも書いた記事に「いいね」がついたりコメントがついたりすると、とても嬉しく感じる。以前コメントでお褒めの言葉をいただいたことがあり、もっとがんばろうと思った。

 

いかがでしょうか。

これは1例に過ぎませんが、

これくらいの文字数でセンテンスを区切ると、

かなり読みやすく感じるはずです。

 

1センテンスごとの文字数は以下の通り。

 

趣味でブログを書いている私は、いつも記事の題材になるネタを探している。(35文字)しかし、なかなかいい材料が見つからないときもあり、苦労が絶えない。(33文字)それでも書いた記事に「いいね」がついたりコメントがついたりすると、とても嬉しく感じる。(43文字)以前コメントでお褒めの言葉をいただいたことがあり、もっとがんばろうと思った。(38文字)

 

ここでひとつの結論を申し上げたいと思います。

 

センテンスの長さは(なるべく)「50字以内」で区切ることをお勧めします。

 

いくら長くても、「100字以内」程度でまとめるようにしましょう。

 

センテンスを短めに区切るようにするだけで、

かなり「読みやすい文章」になり、

「読み手に理解されやすく」なります。

 

要するに、1つのセンテンスが長くなりがちな方は、

「。」(マル)を少し増やせばいい、ということです。

 

多くの文章講座本で同様のことが書かれていますが、

それだけ重要なことなので、ぜひ実践していただきたいと思います。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

次回も引き続きこのテーマでお話ししてまいります。

読者登録をしていただければ、たいへん嬉しく思います。

 

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