AOHITOブログ

キャリア30年以上のライターが文章について語るブログ(本と車も)

「文章を書くのが遅い」とお悩みの方へ。効率的に書く手順を覚えて練習すれば、「いい文章が早く書ける」ようになります!

文章を書くのに時間がかかってしまう原因とは

 

「短いメールを1通書くのに1時間以上かかってしまう」

「1000文字程度の文章を書くのに丸1日かかってしまう」

「何も思い浮かばなくて、なかなか書き始められない」

「時間がかかった割には文章がうまくまとまっていない」

 

こんな悩みをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

「自分は文章を書くのが遅い」

と感じている方に質問があります。

 

「書き始める前に、何か準備をされていますか?」

「何も準備をせず、いきなり書こうとされていませんか?」

 

結論からいうと、

「書く前に、何をどういう順に書くのかをよく考えておけば、

 書くスピードが早くなり、文章の質も上がる」

と私は考えています。

 

そもそも、

「何をどういう順に書くのか」を考えるのは、

それなりに頭を使う「難しい作業」です。

 

また、

「言葉を選んでセンテンスを組み立てる」のも、

それなりに頭を使う「難しい作業」です。

 

この「難しい作業」を2つ同時にやろうとすることで、

脳内が「いっぱいいっぱい」になりやすくなります。

その結果、

「なかなか書き進めない」

「書くべきことが思い浮かばない」

といった状態に陥りやすくなるのです。

 

これは、コンピュータでいえば、

メモリの容量を超える作業をしているようなものです。

 

仮に、

「何をどういう順に書くのか」

を考えるのにメモリの6割の力を、

「言葉を選んでセンテンスを組み立てる」

ことにもメモリの6割の力を使おうとしていたとします。

この時点で、メモリが「2割分不足」しています。

 

当然、コンピュータ(脳)は2つのタスクを同時に処理しきれなくなり、

フリーズ(思考停止)状態になりやすくなるでしょう。

書くのが遅い方の脳の中では、

おそらくこれと似た状況が起きていると考えられます。

 

 

「あらすじ作成」と「文章作成」とを分けて作業する

 

ではどうすればいいのかといえば、

答えは簡単です。

2つ同時に行うのが難しければ、

1つずつやればいいのです。

 

初めに「何をどういう順に書くのか」を考えて、

書く内容と書く順番(=文章の構成)を先に決めておきます。

 

別のいい方をすれば、

これから書く文章の「あらすじ」を考えておくということです。

「あらすじ」を考えるだけなら、

よほどの大作を構想するのでなければ、

脳のメモリが足りなくなることはまずないでしょう。

 

考えついた「あらすじ」は、自分がわかる形でメモしておきます。

紙に書いても、パソコンやスマホで書き留めてもかまいません。

あとでそれを見ながら文章を書くので、

書きながら見やすい形にさえしておけばOKです。

 

次に、

「言葉を選んでセンテンスを組み立てる」作業に移ります。

 

この段階で、書く内容と書く順番はすでに決まっているので、

脳のメモリを「言葉選び」と「センテンスの組み立て」に

「全集中」させることができます。

 

脳のメモリに余裕がある分、

「より最適な言葉が選択できる」ようになり、

「一つひとつのセンテンスを上手に組み立てやすくなる」のです。

その結果、「文章の質が向上」します。

 

それだけでなく、

脳のメモリに余裕がある分、

「文章を書くスピードがアップ」します。

 

先に「あらすじ」を考えておいて、あとで文章を考える、

という手順を守っていただくことで、

本記事のタイトル通り、

「いい文章が早く書ける」ようになるということです。

 

 

文章を効率的に書くための手順について

 

文章を書く手順を整理しておきましょう。

 

1)誰に向けて書くのかを確認

メールにしても、何かのレポートにしても、ブログにしても、

「誰に向けて文章を書くのか」を、一度頭の中で確認しておきます。

 

(※今回の話題には含めていませんが、

 文章づくりにおいて「読者の想定」は非常に重要な要素です。

 この件については、改めて別の記事でお話ししたいと思います。)

 

2)何を書くのかをピックアップ

その人に向けて、何を伝えようとしているのかを思い浮かべて、

走り書きでかまいませんので、簡単にメモしておきます。

思いつくまま、順序はバラバラでかまいません。

 

3)書く順番を考える

何を書くのかを羅列したメモを見ながら、

それらをどういう順番(論理展開)で書けばいいのかを考えます。

この段階でおおよその「あらすじ(文章の構成)」が決まります。

 

ここが難しくて時間がかかる場合もありますが、

あせらずじっくりと書く順序を検討しましょう。

くれぐれも論理的に矛盾しないように気をつけてください。

 

4)内容に過不足がないかを確認

「あらすじ」を読み返しながら、

必要十分な内容になっているかどうかを確認します。

足りない要素があれば書き加え、

余分な要素があれば削除して、

「あらすじ」を完成させます。

 

5)「あらすじ」を見ながら文章を書く

完成させた「あらすじ」を見ながら、

文章作成を開始します。

 

当たり前ではありますが、

すでに「あらすじ(文章の構成)」ができあがっているため、

実際に文章を書く段階では、

「何をどういう順に書くのか」を考える必要がありません。

その分、脳のメモリが余っているため、

「言葉選び」と「センテンスの組み立て」

だけに集中できていることに気づかれるはずです。

 

この手順で文章を書く練習を積んでいただければ、多くの方が

従来よりも「文章が早く書ける」ようになるものと考えています。

 

私自身、ライターの仕事をするようになってしばらく経ってから、

「あらすじを考える作業」と「書く作業」とを分けるやり方に気づき、

自分でも驚くほど書くのが早くなったのを実感しました。

ぜひその感覚を、みなさんにも味わっていただきたいと願っています。

 

今回のポイントを一言でまとめれば、

「脳を効率的に使えば、書くスピードが早くなり、文章の質も向上する」

ということになると思います。

みなさんの文章作成のお役に立てれば、たいへん嬉しく思います。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

これからも少しずつ記事を充実させてまいりますので、

またのご訪問をお待ちしております。