読書をすれば文章力は上がるのか? たくさん書けば勝手に上達するのか?「文章上達の3つのキーポイント」についてお話しします!
「文章が上達する方法」について
「文章を上手に書けるようになりたい」
と願っている方は、きっとたくさんいらっしゃるでしょう。
各種SNSをはじめ、会社や学校で書くレポート等々、
今や多くの方が日常的に文章を書く時代。
やはり少しでもいい文章を書きたいものです。
ではどうすれば、文章力は上がっていくのでしょうか。
ある人はこういいます。
「とにかく読書をしなさい」
別のある人はこういいます。
「文章の書き方について書かれた本を読みなさい」
あるいはこういう方もいらっしゃるでしょう。
「何でもいいからたくさん書きなさい」
どれが正解なのか、人によって考え方はさまざまだと思いますが、
結論からいえば、これらすべてを継続的に実行することが重要です。
読書をすれば、知識の量が増えるとともに、
プロの文章表現に触れて影響を受けることで、
センスが磨かれていきます。
しかし、通常それだけではいい文章が書けるようにはなりません。
なぜなら「書くための技術」を学んでいないからです。
「読むこと」と「書くこと」とは別の行為です。
文章の書き方について書かれた本を読めば、
文章を書く手順やコツ、文章のルールなどがわかり、
「書くための技術」を知ることができます。
しかし、通常それだけではいい文章が書けるようにはなりません。
野球のルールを知っても野球が上手にならないように、
実際に「書く練習」「書く経験」を積まなければ、
学んだ技術が身につかないからです。
何でもいいからたくさん書き続ければ、
ある程度は書き慣れることができるでしょう。
しかし、通常それだけではいい文章が書けるようにはなりません。
読書による知識の蓄積がなければ、
中身の薄い文章になってしまう危険性があるからです。
書くための技術を学んでいなければ、
稚拙な文章表現になってしまう危険性があるからです。
つまり「読書」と「書き方の勉強」と「たくさん書くこと」は、
文章の上達のために、どれ一つとして欠かすことはできないのです。
すべてが補完し合う関係にあるといってもいいと思います。
知識を増やし、書き方を学び、
そのうえでたくさん書くことによって技術が身につき、
文章力が少しずつ磨かれていくのです。
何を読み、何を学べばいいのか
では、どんな本を読めばいいのでしょうか。
「読書」に関して、自分が関心のあるジャンルの本なら、
基本的には何を読んでもいいと思っています。
世に出回っているほとんどの本は、
プロの書き手とプロの編集者が何カ月もかけてつくっています。
一言一句、それこそ目を皿のようにしてチェックしているのです。
プロの校正者が文章の最終確認を行っていることも多いでしょう。
そのため、内容の是非や好き嫌いは別問題として、
「文章そのもの」は一定の水準をクリアしているはずです。
好きな分野の本、面白そうな本、勉強になりそうな本を探して、
コツコツ読み続けましょう。
「書くための技術や知識を学ぶ本」に関して、
今は本当に多くの種類が出回っており、
勉強になる良書がたくさんあると思われます。
「どんな文章を書きたいのか」
「文章のどんなことを学びたいのか」
といったことをご自身でよく考え、
Amazonのレビューなどを参考にして選んでください。
1冊だけでなく、何冊も読んで多角的に学び、
自分の中でしっかり消化していくことが大切です。
ここでは、私自身が駆け出しライター時代に読んで、
大いに刺激を受けた2冊を紹介しておきたいと思います。
私はこの2冊を読み、
すでにライターとして独立していたにもかかわらず、
自分が文章について何も知らなかったことを思い知らされました。
そしてこの2冊に書かれていたことを日々ライティングの仕事で実践し、
自分なりに成長を実感することができました。
本の詳しい内容紹介は別の機会に譲ることにして、
それぞれワンフレーズずつ引用しておきたいと思います。
「文章を綴る場合に、まずその文句を実際に声に出して暗誦し、それがすらすらと云えるかどうかを試してみることが必要でありまして、もしすらすらと云えないようなら、読者の頭に這入りにくい悪文であると極めてしまっても、間違いはありません。」
(※繰り返し記号を平仮名に改めました)
「文章を早く書けば密度は粗くなり、読む側から言えばその文章のスピードは落ちて見えます。ゆっくり書けば当然文章は圧縮され、読む側から言えば文章のスピードが強く感じられます。」
谷崎潤一郎は、
自分が書いた文章を「音読」して、
すらすらと読めれば読者の頭に入りやすく、
すらすらと読めなければ読者の頭に入りにくい、といっています。
三島由紀夫は、
さらさらと早く書いた文章は、
文字数に対して情報量が少ないため、
話の進み具合が遅く感じられるが、
じっくりとよく考えて書いた文章は、
文字数に対して情報量が多いため、
話の進み具合が早く感じられる、といっています。
いずれも私自身の理解ではありますが、
この2冊を読んで以降、
私はじっくりと考えて執筆するようになりました。
そして書いたあとで音読し、
読みやすく書けているかどうかを確認するようになりました。
慣れてからは声に出すことはなくなりましたが、
今でも文字を目で追いながら、
音読するようなつもりで文章をチェックしています。
長くなりましたが、
「書くための技術や知識を学ぶ本」の例として紹介しました。
あとは、学んだことを思い返しながら、
できるだけ毎日文章を書き続けていただきたいと思います。
たくさん書いているうちに、
学んだことがいつの間にか自分の中で再構築され、
ふと気づくと、
以前は書けなかったような文章が書けるようになっているでしょう。
文章は一朝一夕で上達するものではありませんが、
学びながら継続すれば、
いつしか読みやすく伝わりやすい文章が書けるようになるはずです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
文章のコツやルール等に関して、
まだまだお伝えしたいことがたくさんあります。
これから少しずつ更新してまいりますので、
またのご訪問をお待ちしております!