AOHITOブログ

キャリア30年以上のライターが「文章」について語るブログ(本と車も)

ブックレビュー

ブックレビュー『万葉集』作者:無数の万葉歌人たち

天皇の歌も一般大衆の歌も一緒に収録された大歌集 あかねさす紫野ゆき、標野ゆき、野守は見ずや。君が袖ふる(20) いはゞしる垂水の上のさ蕨(ワラビ)の、萌え出づる春になりにけるかも(1418) 新しき年のはじめの初春の、今日降る雪の、彌頻(イヤシ)け。吉…

ブックレビュー『武士道』新渡戸稲造著

「武士道」を「客観的」に論じた世界的名著 バーク(英国の政治家)、ジョージ・ミラー博士(アイルランドの歴史家)、エマソン(アメリカの詩人)、レッシング(ドイツの思想家)、ラマルティーヌ(フランスの詩人)、ブートミー(フランスの教育者)、ハク…

ブックレビュー『自助論』スマイルズ著

お得感たっぷりの「名言の宝庫」 スマイルズの『自助論』は、 ほとんどの読者の人生を変えるのではないか、 と思えるほど素晴らしい名著でした。 ウィキペディアによると、 明治時代に一時期日本の学校の教科書にもなり、 明治末までに国内で100万部以上売り…

ブックレビュー『読書について』より「思索」ショウペンハウエル著

「鵜呑み」「思い込み」「バイアス」の危険性 「読書の功罪」について考えることがあります。 例えば 「尊敬するあの先生の著書だから、書いてあることはすべて正しい」 と思い込むことには、大きな危険がはらんでいます。 なぜなら、書き手を妄信した時点で…

ブックレビュー『[現代語抄訳]言志四録』佐藤一斎著

幕末の志士たちの精神的バックボーン 「明治維新」は、極論すれば、 『言志四録』を著した佐藤一斎の弟子と孫弟子とひ孫弟子たちが行った ようなものかもしれません。 佐藤一斎は、江戸時代後期に 昌平黌(しょうへいこう ※1)の儒官(※2)を務めたとのこ…

ブックレビュー『うひ山ふみ』本居宣長著

「勉強方法」を教えてくれる教科書 私は現存する日本最古の書物である『古事記』が大好きです。 これを読んだことで、日本という国を心から愛するようになりました。 その『古事記』を私たち現代人が読むことができるのは、 江戸時代中期の国学者である本居…

ブックレビュー『現代語訳 学問のすすめ』福澤諭吉著

「天は人の上に人を造らず」の本当の意味とは? 福澤諭吉の著書である『学問のすゝめ』を現代語訳で読み直しました。 前に原文で読んだことがあり、 心にぐさりと刺さる箇所も多かったのですが、 文語体ゆえに意味がつかみにくく、 理解が及んでいない箇所も…

ブックレビュー『万葉集のこころ 日本語のこころ』渡部昇一著

「大和言葉」と「漢語」の混じり具合で文章の性格が変わる 渡部昇一先生の『万葉集のこころ 日本語のこころ』は、 たった1冊で5冊分くらい教わったような読み応えがありました。 内容が非常に充実していて、 紹介するポイントを絞るのさえ難しく感じられま…

ブックレビュー『成熟脳―脳の本番は56歳から始まる―』黒川伊保子著

「以心伝心」は科学的に証明されている 黒川伊保子さんの『成熟脳~脳の本番は56歳から始まる~』は、 私が時々参加している「オンライン読書会」で他の方が紹介され、 非常に興味がそそられて購入した一冊です。 読んだのは令和2年で、当時55歳だったので…