AOHITOブログ

キャリア30年以上のライターが文章について語るブログ(本と車も)

「書いた文章が理解してもらえない」とお悩みの方へ(Part1) 読者を想定し、読者の受け取り方を想像しながら書きましょう!

「読者に理解されない原因」とは?

「書いた文章が読み手に正確に理解してもらえない」

「書いた内容が相手に誤解され、しかも怒らせてしまった」

「自分が意図していなかった受け止め方をされる」

 

文章を書いていて、

そんなご経験がある方も少なからずいらっしゃるはず。

 

ではなぜ、こんなことが起きてしまうのでしょうか。

 

主に次のような理由が考えられます。

 

(1)書く前に「読者を(正確に)想定」していない。

   そのため「読者に伝わりやすい書き方や言葉選び」ができていない。

   例えば「難しい内容をわかりやすく噛み砕かずに書いたり、

   「難しい専門用語」を説明なしで用いたりしている。

 

(2)自分がいいたいことを、自分がいいたいように書いている。

   「読者の存在への意識が希薄」で、

   「読者への配慮が欠けた文章」になっている。

   具体的には「説明が不十分」になったり、

   「読者が不快に感じる表現」をしてしまったりする。

 

(3)「文章力が未発達」なために、

   「複数の意味に受け取れる曖昧な書き方」になったり、

   「言葉足らずで意味が通じにくい書き方」になったり、

   「助詞の使い方を微妙に間違えて」しまったり、

   「センテンスが長過ぎて読みにくい書き方」になったりする。

 

(4)執筆後、しっかりと「推敲」していない。

   そのため、ちょっとした間違いや矛盾、微妙ないい回しのずれ、

   情報の確認不足などが修正されないまま読者に届き、

   誤解を与えてしまう。

 

いかがでしょうか。他にも原因があるかもしれませんが、

だいたいこの4タイプに集約されるのではないかと考えています。

 

そもそも「言葉だけで自分の考えや気持ちを正確に表現し、

読者に誤解されないように伝えるのは、かなり難しいこと」です。

 

ですから、

「誤解されない文章を書くのは簡単ではない」という前提に立って、

コツコツ文章力を磨いていくことがとても重要です。

 

本投稿では、上記の(1)について検討していくことにしましょう。

(2)~(4)は次回以降の投稿でお話しする予定です。

 

「誰に向けて書くのか」を考える

文章は、読者を想定し、想定した読者に向けて書くのが基本です。

 

仮に読者を想定せずに「あてずっぽう」で文章を書いたら、

それは限りなく「ひとり言」に近いものになってしまうでしょう。

 

結果的に、読者に伝えたいことが伝わりにくくなってしまいます。

 

何か「伝えたいテーマや情報等」があったら、

まずはそれを「誰に届けるのか」を考え、

「その人に理解してもらえるように文章をまとめていく」ことが大切です。

 

例えば書籍をつくる際、

出版社は「どの読者層に届ける本なのか」を考えます。

企画の初期段階で「ターゲットとなる読者を想定」しておいて、

「その読者に向けていい本をつくろうと努力する」のです。

 

実際、ライターである私が書籍の原稿作成を受注する際、

だいたいいつも出版社の編集担当の方から、

「この本はこういう読者を想定しています」

といった説明を受けます。

あるいは打ち合わせの最中に私から尋ねることもあります。

 

このように「読者を想定」してつくるから、

「ターゲットとなる読者層に喜ばれる良い本ができる」

といっても、決していい過ぎにはならないでしょう。

それくらい「読者の想定」は重要だということです。

 

読者を想定するいちばんのメリットは、

「想定した読者に理解しやすい表現が工夫できる」ところだといえます。

 

「この読者層は、少なくともこれくらいの知識があるはずなので、

 このような言葉(用語)を用いて、このような書き方をすれば、

 伝えたい内容を十分理解してもらえるだろう」

 

ということを頭の中で想像しながら文章が書ける、ということです。

 

もしも読者を想定せずに文章を書いたとしたら、

「誰に向けて書くのか」というイメージがないため、

「読者の受け取り方や理解度」が想像しにくくなります。

 

その結果、読者が理解しやすい言葉を選んだり、

読者にわかりやすい書き方を工夫したりすることが困難になるのです。

 

別のいい方をすれば、

「難しい言葉や内容をどこまで噛み砕けばいいのか

あるいは「あまり噛み砕かなくても大丈夫なのか」が、

適切に判断しにくくなるということです。

 

そして「噛み砕き方が不十分」だったとき、

読者にとって理解しにくい文章になる危険性が高まるのです。

 

簡単な例でいうと、

小さな子供向けに書く「童話」は、

子供が読みやすいようにやさしい言葉で書くものです。

何らかの専門家向けに書く「論文」は、

専門家に正しく情報が伝わるように専門用語を駆使して書くものです。

 

この判断を適切に行うために「読者を想定する」のです。

 

あなたが書く文章を読む(可能性がある)のは、どんな人でしょうか?

その人をイメージし、その人の受け取り方を想像しながら、

文章の書き方を工夫する習慣を身につけましょう。

 

「誰が読んでくださるのか」を考える

さて、みなさんが書かれる文章の読者は、

おおよそ次の3つのタイプに分かれると考えられます。

 

(1)電子メールの送信先など「特定の個人」

(2)会社・団体・趣味の集まりなど「特定のグループ」

(3)ブログを含む各種SNSの読者など「不特定多数の人々」

 

「特定の個人」に届ける文章を書く際、ほとんどの場合、

その読者がどんな人物なのかがある程度わかっていると思います。

 

そのため、どんな言葉を使えば理解してもらえるのか、

専門用語や略語はどれくらい使えるのか、

どんな書き方をすれば失礼にあたらないのか、

といったことが、だいたい正確に想像できるはずです。

 

つまり「読者の受け取り方が想像しやすい」ので、

比較的「理解しにくい文章にはなりにくい」と考えられます。

 

次に、「特定のグループ」に届ける文章を書く場合も、

「特定の個人」に書く場合と同様に、

どんな言葉を使えばいいのか、専門用語や略語が使えるかどうか、

どんな書き方をすれば理解してもらいやすいのかが想像しやすいはず。

 

この場合も、理解しにくい文章にはなりにくいでしょう。

 

読者が「特定の個人やグループ」であるにもかかわらず、

その人たちにわかりやすく書くのが難しい方は、

基本的な文章力が不足している可能性があります。

これについては、後日別の投稿でお話ししたいと思います。

 

書くのが最も難しいのが、「不特定多数の人々」向けの文章です。

例えば「X(旧Twitter)」「ブログ」等に投稿する文章は、

基本的にはどんな人が読むのかわかりません。

 

つまり「読者像が見えにくく、受け取り方を想像するのが難しい」

ということです。

 

それでも、「書いた内容に興味がある人」の属性には、

ある程度の傾向があると考えるべきでしょう。

 

例えば今、「AOHITOブログ」のこの記事を読んでおられる方は、

「文章力を高めたい」と思っていらっしゃる方が多いはずです。

 

また、これを読むにはある程度の日本語能力が必要ですから、

大半は日本語を母国語としている方で、

どんなに若くても中学生か高校生以上の年齢であると想定されます。

 

さらに、このブログにたどり着くくらい

インターネットを日常的に使用されているということは、

おそらく70代以上の高齢の方は少数だと考えられます。

 

ということは、本ブログの読者のイメージは、

「日本語を母国語とする10代後半から60代くらいの男女で、

 文章力を高めるための情報を収集している方々」

ということになると思われます。

 

こうして想定した読者層に対して、

その大部分の方々に内容をご理解いただき、

少しでもお役に立てる情報を提供できるように、

私はこの文章を書いているつもりです。

 

このような考え方・やり方を参考にしていただければ、

書いた文章が読み手に理解してもらえる確率を高めることが

できるのではないでしょうか。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

またこのテーマで引き続き投稿してまいりますので、

読者登録をしていただければたいへん嬉しく思います。

 

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